内側から見た富士通〜「成果主義」の崩壊

 成果主義をタイトルで取り上げつつ、成果主義という仏を全否定するのが目的ではなく、仏を作って満足していた富士通の経営陣の無責任さや、魂を入れないように、魂を抜くように動いていた富士通の人事勤労部の腐敗ぶりを告発しているというような内容。分析も冷静にいいところを突いている。伝聞が少ないのも○。
 ほんま、計数管理に限らず、目標の作り方って難しいんよね。人間の集団ってのは、たいていは舵を切った方向に暴走していくから。
 成果主義の修正形ともいえるバランストスコアカードみたいなものも生まれてきているあたりに触れていないのはちょっとずるいかな。これだけ勉強している人が知らないはずもないから。
 だれもがいちばん気になるのは、amazonの著者からの紹介に掲載されているような、英語混じりの文体。矢沢永吉の歌詞のよう。読みにくいことこの上なし。普段から固有名詞をアルファベットで表記した文章書いたり読んだりしているんで、つい目がいってしまうんよね、無視して読もうとしても。作者のblog(Joe's Labo )によると、このシリーズの共通フォーマットらしい。なんのためにこんなことやっとるのか、光文社に聞いてみたい。
内側から見た富士通「成果主義」の崩壊 (ペーパーバックス)