女性優位の日本代表

 競技成績でも、あるいはその前の出場権でも、女性の活躍が目立つ。だからといって「日本は女性上位だ」とかいってしまうのはあまりにも安直。
 世界を見渡してみると、女性のスポーツは経済的に成り立たなかったり、さらには女性がスポーツをすること自体が社会的に認められてなかったりする国が圧倒的。特に社会主義国のほとんどが崩壊してしまった今となっては、いわゆる先進国以外では女性がスポーツを中心において、世界で競争できるようなレベルのトレーニングを積むことができる環境は望むべくもない。せいぜいケニアとかモロッコとかの陸上選手くらいか。要するに選手層が男子と比べるとはるかに薄いということ。ホッケーやサッカーの代表選手たちが苦労しているといっても、あくまで日本という豊かな国の中での話。
 だからといって、日本の女子選手の活躍は価値がないってことはない。なにしろその前はそういうことがなかったわけだから。ある意味、日本の社会がやっとで女子のスポーツを認めたとも言える。典型的なのは柔道で、「柔道は武道で、女のやるもんではない」という考えにとらわれていて対応に遅れていたのが、田村亮子というスター選手の力を借りて、やっとで追いついたといえる。
 日本はやっとで「先進国」になったといえるかも。