色町・芝居町のトポロジー 「悪所」の民俗誌 (文春新書) / 沖浦和光

色町・芝居町のトポロジー 「悪所」の民俗誌 (文春新書)
 飛田新地って難波新地が大火事の後に移転させられたものって知ってたかい、アニキ播州室津に最古といわれる遊女町があったって知ってたかい、アニキ。
 その手の聖と性と俗と賤とを縦横無尽に語っている。明治のころに断絶した文化は神仏混交だけじゃなかったのね。
 大分の柞原八幡に「さくはら」とルビを振っている(166ページ)けど、少なくとも現在地元では「ゆすはら」と呼ばれている。それと、京都の島原遊郭が「堀で囲われた廓が・・・・・・・島原の城塞を連想させたのだろう」(182ページ)ってあるけど、移転のどたばた、大騒ぎが島原の乱を連想させたからって聞いたことがあるぞ。