柔道は勝てなくて当たり前

 国際柔道連盟に加盟しているのは199カ国。日本の競技人口は20万人台だが、フランスは60万人を超えている。柔道連盟の関係者は「ジュニアの育成以前に、柔道をやる子供たちが減っている」と頭を抱える状況だ。

 こんな状態でこれまで結果を出してきたほうが不思議なくらい。よく踏んばっていると評価すべきだと思う。

 そもそもが、子供が減って、しかも「しんどいことはやりたくない」「あぶないことはやらせたくない」「将来生活できんようなスポーツやってもしょうがない」「ケガさせてしまったらとんでもないことになるから指導するのはリスキー」という選手層の薄い状態で、国際競争力のある選手が育つなんて考える方が間違っている。もちろん層が厚ければ強くなるほど単純な話ではないけど。

 女子が結果を残せるのは、まだ世界の選手層が薄いから。今の活躍もそう長くは続かないだろう。