倭人伝を読みなおす (ちくま新書) / 森 浩一

倭人伝を読みなおす (ちくま新書)

倭人伝を読みなおす (ちくま新書)

 大分にルーツがありながら邪馬台国宇佐説を採らないとはなにごとか、ってな話はどうでもええけど。当時は朝鮮半島そばの島から倭とみなされているっていうのがおもしろかった。領有権主張しようぜ。

 倭というのを人と禾と女に別けて考察しているけど、漢字って偏で意味を、旁で読みを表すんじゃなかろうか。つまり「ワと自らを呼ぶやつら」みたいなことで倭という漢字が採用されたのではないかと。漢字の専門家とも交流があるようなんだけど、筆者の主張する禾(あわ)に由来するという推論はむむむ、という感じ。
 で、思ったんだけど、当時のチャイナ人から倭人は人と思われていたというのがこの漢字からわかる。東夷ではあるけど、夷狄のようにけもの偏ではないから。