川内選手の好走に思う

 陸連のみなさまは「実業団という育成システムにとってショック」といっているけど、陸上長距離というのはいまや数少なくなってきた、というか唯一の昔ながらの実業団。それ以外のほとんどのスポーツは選手のプロ化とかチームのクラブかとかが進んでいる。たぶん企業にとってコストパフォーマンスが圧倒的だからなんとか成り立っているんだろう。用具も最低限で済むし、特別な練習場もなくてすむ。

 日本がマラソンで世界から離されてしまったのは、世界で選手がどんどんプロ化していく中でプロ化から取り残されているからという要員も大きいと思う。「アフリカ選手のようなハングリー精神が足りない」っていうけど、そりゃアマチュア待遇の選手にプロの根性を求めるのがそもそも無理な話。

 実業団が存続するほどコストパフォーマンスがいいということは、プロとしてやっていく場合もコストパフォーマンスがいいということで、プロ生活が成立する余地も大きいってことでもある。そこに手を突っ込もうとした有森や高橋は、秩序を乱すものとしていじめられてしまったけど。

 そういう意味で、藤原新不本意な成績だったのは残念。プロとしてやっていくためにはどうしてもレース過多になってしまうんだろうか。

 日本の自転車ロードレーサーはほとんど川内みたいな生活なんだよなぁ。