撤回が産みだすもの

 虚偽の名前を登録していた(匿名と偽名は大違い)とかいうカミングアウトが続出した中で、住所登録を撤回したことは、そういう行為を是認する、とまではいかなくても、そういう行為を排除する手段をなくした、あるいは排除する努力を放棄したということになってしまう。
 住所登録を前向きに評価していた人たち(私もそこに含まれる)にとって、これはかなり不愉快なことだと思う。ええかげんなユーザが残ってしまうように思えるから(実際にええかげんなユーザだというわけではなく、住所登録を前向きに評価していた人から見た印象としてね)。最初の方針を高く評価した人ほど、今回の撤回に対して失望感が大きいだろう。せっかくの支持者・理解者を裏切った形になってしまった。
 一方住所登録を不快と感じたユーザがこれでばんばんざい、わだかまりもなくなるかというとそんなことはない。いったん「あんたたちは信じられない」と言われたのが、そう簡単に収まるはずはない。撤回も「信じられへんけど、とりあえず信じとるちゅうことにしとくわ」くらいにしか解釈してもらえないだろう。
 結局賛成派と反対派の両方に不信感が残ってしまった一連の騒ぎでした。もっとも、はてなユーザ全体でみれば賛成でも反対でもない人がサイレントマジョリティなのかも。