そんなこと約束していいの?

今後、ユーザーが負担を負う大幅な方針変更の際は、事前にユーザーからの意見募集を行います。

はてなへの住所登録の義務化撤回について

 ええええええっ、そんな約束していいの?
 必要性ということでいうと、まったくない。はてなに必要なのは「不当でない方針を作ること」と「その方針についてきちんと説明する」ということだけ。何度か書いたように、離脱が難しい自治会、自治体、国家などじゃなくって、ユーザに選択権が保証されているコミュニティなんだから。それでユーザが離れてもそれはしょうがないこと。
 十分の観点から考えると、将来の大きな決断の足かせになるんじゃないかという懸念。たとえばどこかの会社に売るとか、傘下に入るとか、株式を公開するとかいう場合。そのこと自体はユーザには関係ないことではあるけど、外部の資本が入るということは、資本の論理による意思決定の可能性がでてくるということ。この約束を無視した規約変更がおこなわれる可能性も出てくる。その時に「ユーザの負担を伴うような変更の可能性がでてくる」ということで事前に意見募集するの?もっとも、株式公開の場合、東京証券取引所はそんなこと許してくれへんけどね。
 まぁ、それは拡大解釈的だとしても、その後を考えると、外部資本が入れば、ユーザの約束と資本の論理では資本の倫理が優先されるようになる。じゃぁこの約束に反するような規約変更が資本の論理でおこなわれるとしたら、それは裏切りという信義の問題なのか、あるいはなんらかの契約違反なのか。場合によっては、買う側から見たらこの約束が瑕疵の一つと見なされるかも。
 そもそも、利用規約の「本規約は、予告なしに変更されることがあります。」ってのと矛盾するぞ。ここまで約束したんなら「本規約は、予告なしに変更されることがありますが、ユーザーが負担を負う大幅な方針変更の際は、事前にユーザーからの意見募集を行います」と変更しなければならないってことになってしまう。
 規約の変更権を担保していないインターネットサービス(インターネットに限らんやろうけど)って、もはや成り立たないんじゃないだろうか。
 つくづく残念&これからが心配な決定でした。