クラスター爆弾「島国を守るのに大変有効」と空幕長

 多数の小型爆弾を拡散し、不発弾被害などが問題視されている「クラスター爆弾」について、航空自衛隊田母神俊雄幕僚長は25日の定例記者会見で、「島国を守るのに大変有効」とした上で、「(日本が防御のため使う際に)被害を受けるのは日本国民。占領されることと、どちらがいいか考えた時、防衛手段を持っておくべきだ」と述べた。
 この発言を巡り、「誤解を与えた」として約2時間後に再び会見し、「国民の頭の上にクラスター爆弾を落とすということではない」と釈明。「占領される被害より不発弾で被害が出る方がましということか」との質問に、「不発弾の被害は非常に小さい。国を守れずに人権弾圧などが敵性国によって行われれば、大変な被害が出る」と説明した。

 クラスター爆弾専守防衛で使うシテュエーションが想像できない。使えるとしたら、領土内の一部エリアで、国外勢力に占領されていて、国民の避難が完了していてといったところだけど、人口密度の高い日本の場合、そんなことはあり得ないだろう。「国民の少々の犠牲はしょうがない」ということを明言するなら別だが。
 攻撃を仕掛けようとしている勢力を先制攻撃するというアメリカ的作戦だとしても、クラスター爆弾を使える程の制空権を持っている状態なら他の兵器でも十分対応可能なはず。
 「クラスター爆弾を持っていたら攻撃してこんだろう」という核抑止力的発想なら、いっそのこと核兵器を持ったほうが有効なはず。アメリカは許さんだろうけど。
 でも、いちばん問題なのは、国際的な空気の変化が読めていないことなんじゃないかと思う。第2次世界大戦に至る日本の行動は「そろそろ帝国主義も終わりかな」と列強が考えはじめていた空気の変化を読めずに帝国主義に邁進したといえるんじゃないかと個人的に思っているので、この発言はかなり痛々しいと思う。
 結局「アメリカから売りこまれているから買わなきゃいけない」ってことなんだろうなぁ。