ブルーギルへの言及を無視する産経新聞

 産MSNのサイトを見たけど、こんな記事しか見つからなかった。

両陛下、“湖”づくり大会ご出席 滋賀
2007.11.11 12:07

 天皇、皇后両陛下は11日、滋賀県の琵琶湖畔で開かれた第27回「全国豊かな海づくり大会」の式典にご出席。
 あいさつに立った天皇陛下は、「琵琶湖において、大規模な淡水赤潮が発生したことを契機として、環境保全のための取組が開始され、最近は環境は良くなってきていると聞きます。再び魚影豊かな湖となることを期待しています」と述べられた。
 続いて天皇陛下がニゴロブナとワタカ、皇后さまがアユとホンモロコの稚魚を、それぞれ湖に放流された。
 今大会のテーマは、琵琶湖の水産資源を継承していこうというもの。
 海に面していない都道府県で「海づくり大会」が開かれたのは、これが初めてとなった。

 ブルーギルの話題に言及せずに記事を書くのはさぞかし悩ましかったことだろうと同情するなぁ。
 他の新聞では

外来魚・ブルーギル、陛下が「繁殖に心痛む」

 天皇陛下は11日、大津市の琵琶湖畔で開かれた「第27回全国豊かな海づくり大会」に皇后さまとともに出席し、式典のお言葉で、琵琶湖を始め全国で大繁殖が問題になっている外来魚ブルーギルに触れ、「ブルーギルは50年近く前、私が米国より持ち帰り、水産庁の研究所に寄贈したものであり、当初、食用魚としての期待が大きく、養殖が開始されましたが、今、このような結果となったことに心を痛めています」と心情を吐露された。
 魚類分類学者である陛下が、公式に外来魚の問題に言及されたのは初めて。
 宮内庁滋賀県によると、陛下は皇太子時代の1960年に訪米した際、シカゴ市長からブルーギルを贈られ、釣りや食用になればと魚を持ち帰って水産庁に寄贈、それが滋賀県水産試験場に分与された。
 試験場は琵琶湖で網を二重にして試験的に飼育したが、何らかの経緯で60年代には琵琶湖で生息が確認されたという。大繁殖の結果、近年はニゴロブナなど固有種の漁獲量が激減した。
 食糧増産が図られた時代だったとはいえ、陛下は琵琶湖の生態系を壊す結果につながったことにかねて心を痛めていたという。
 陛下はお言葉の最後で、「永い時を経て琵琶湖に適応している生物は、皆かけがえのない存在です。かつて琵琶湖にいたニッポンバラタナゴが絶滅してしまったようなことが二度と起こらないように、琵琶湖の生物を注意深く見守っていくことが大切と思います」とも述べられた。
(2007年11月12日14時15分 読売新聞)

ブルーギル繁殖、心痛む」
陛下、海づくり大会で胸中明かす
 「50年近く前、私が米国より持ち帰ったブルーギルが、このような結果になったことに心を痛めています」。天皇陛下は11日、大津市であった全国豊かな海づくり大会の「おことば」で、琵琶湖の外来魚ブルーギルが増加していることに複雑な胸中を明かされた。
 「おことば」では、外来魚やカワウの異常繁殖などで琵琶湖の漁獲量が激減していることに触れられた後、ブルーギルについて「当初、食用魚としての期待が大きく、養殖が開始されましたが、このような結果になったことに心を痛めております」と述べられた。
 その上で「長い時を経て琵琶湖に適応して生息している生き物は、皆かけがえのない存在です」とも語られ、湖の環境改善に期待感を示された。
 ブルーギルは、天皇陛下が皇太子時代の1960年に訪米された際、シカゴ市長から贈られた個体が、水産庁の研究所を通じて滋賀県など各地へ分与されたとされる。ただ、琵琶湖に入り込んだ経緯は定かではない。
 「おことば」について嘉田由紀子知事は、「陛下の、科学者としての真摯(しんし)な姿勢をお示しくださったと感激している」と話した。

 せっかくの思いきった発言を無視してしまうって、それでええの?「正論」路線的にも称賛報道した方がプラスちゃうのかなぁ。
 行政がやったこと、あるいは内閣の輔弼を受けて自らがやったことにたいしてこのような発言をするというのは、ある意味政治的で、禁じ手っぽいんだけど、それを承知の上であえてびわ湖で発言したというあたり、なにげなく重要なできごとだと思う。