「救済」という単語

 薬害C型肝炎訴訟で原告側は政府に一律「救済」を求めているわけだけど、これを「救済」といっていいんだろうか?元(感染前、もしくは発症前)の状態に戻るのなら「救済」だけど、そうじゃないんだから「補償」とか「賠償」とかいうワーディングになるのが適当だと思う。
 「助けられるのに助けようとしない政府はひどい」と思わせようとか、「金だけの問題と思われたくない」という裁判上の作戦なんだろうか。言葉の使い方に敏感な官僚たちがこのワーディングに反発してないんだろうか。

 とか書いたけど、念のため辞書をチェック。

きゅうさい きう― 0 【救済】
(名)スル
(1)困っている人を助けること。
「難民を―する」「―の手をさしのべる」
(2)〔宗〕 人を不幸な状態から解放し、幸福を与えること。救い。済度(さいど)。

三省堂提供「大辞林 第二版」より凡例はこちら

 (2)の意味だと思っていたけど、(1)の意味だとすると不適切とはいえないわけやね。