女子スポーツのほうが元気だ、とか

 与謝野馨経済財政担当相(兼・男女共同参画担当相)は19日の閣議後会見で、サッカーの女子ワールドカップ(W杯)ドイツ大会でなでしこジャパンが初優勝したことについて、「日本国においては女性のほうが男性より優秀だ。新たにその証明が一つ付け加わったということだ」と賞賛した。


 ってなことをいう人は多いんだろうけど、安直すぎ。

 世界の中には、経済的理由、文化的な理由などにより女性がスポーツを楽しむことのできる国のほうが少ない。FIFA女子ワールドカップの決勝トーナメントに残った国を見てもある程度豊かな国、女性の社会進出が受け入れられている国ばかり。あとはプロレタリアート独裁国家勢が時々強かったりするけど、やつらは一応建前上は男女の区別なしだから、女性が社会進出しているという点は共通。イスラム教国では人前で女性が肌を晒すことさえできないところが多い。

 結果として女子選手は競技人口も少ないし、層も薄いし、比較的楽に上位に行くことができる。ましてや、ひとりでも、道具がなくても何とかなる陸上長距離とかとは違って、道具も場所もチームメイトも必要な大人数の団体競技の代表チームを編成し、強化するのは大変なこと。

 女子の選手層が薄いのはサッカーに限らず、日本の女子選手が国際的に上位にいるスポーツはみな同じ。復帰したクルム伊達があれだけ活躍できるのも、伊達の精進を差し引いても、層の薄さを示していると思う。

 だからといってワールドカップ優勝の価値が低いというつもりはまったくないが、それにかこつけて世界で厳しい戦いをしている男子選手たちを軽んじるような言い方はしないようにしましょうということ。

 ワールドカップ優勝に私はなんの貢献もしてないし、単に同じ日本人だからというだけで勝手に自らの誇りに思うようなことはしないけど、日本は女性がスポーツを楽しめる社会であるということは世界に胸を張れることかもしれない。