選挙でのインターネット利用は違法ではない

法律的な話

 現状は総務省が「違反」だと表明しているだけ。いわば「誰も合法だと保証はしてくれない」程度のこと。

 違法だとみなして摘発するのは警察の仕事だし、裁判をすすめるのは検察の仕事だし、最終的に判断するのは裁判所の仕事。総務省は違法と判断する権限はない。せいぜい「違法の可能性があるから気をつけろ」と警告できるくらい。そういう意味で、橋下代表の「摘発カモーン!」という態度はなにも間違っていない。

 新聞を読んでいると、ほとんどはグレイだということをちゃんと説明しているけど、読売新聞だけは違法だと断言している。個人情報保護法についてもいまだにウソの解釈を垂れ流している読売新聞らしい態度。

インターネット選挙で困る人たちは誰?

 一般的にはジバン、カバン、カンバンで優位に立つ旧来型の候補が相対的に不利になって困るというのが思い浮かぶ。でも、ジバン、カバン、カンバンはインターネット選挙においてもけっこう力を発揮する。インターネット広告を出すには金がいるし、メールやソーシャルメディアを使って情報発信をするには組織がある方が優位。

 本当に困るのはマスメディア。大量に流されている政党広告がポータルサイトソーシャルメディアに流れていってしまう。新聞社のサイトにも流れるだろうけど、マイナスは避けられない。そりゃ問題提起程度の記事しか出ないのは当然やね。

インターネット利用解禁後の世界

 メールボックスにはスパムまがいの投票依頼だらけ、twitterfacebookのタイムラインも投票依頼だらけ。それでも地元選挙区の候補の依頼ならいいけど、日本中の選挙区のものが無差別に飛び込んでくる。友だちを何人かなくすかも。

 海外からの選挙運動で違反行為があった時に摘発し公判を維持するのが困難になるし、そうなるとネガティブキャンペーンも増えてくる。

 もちろん、繰り返しになるけど、インターネット広告でも金がある方が優位。インターネットの動向を見ながら選挙運動を軌道修正するとかの高度なことをやろうとするとコンサルティングフィーとかでさらにカネがかかる。

 結局、インターネットという媒体が増えたところで大きな違いはできない。選挙を変えるのは国民が投票行動を変えていくしかないと思う。印象や見た目で決めたり、「なんか名前を何回か聞いた」「知り合いに頼まれた」とかで投票していたりしている人が多数である限りは変わらない。