IT化の議論で忘れ去られたもの

 最近、法学・経済学の研究者と「情報化社会は誰のためにあるのか」というテーマで議論する機会が多い。その中で「情報化社会推進について議論するにあたって、これまで忘れられてきたものがある」という話があった。情報化社会を推進することが果たして誰の利益になるのか、社会的に見ていったいどんな価値観があるのか――。技術的に何ができるのかではなく、それが誰のためにどう役立つのか、民主主義、資本主義のベースとなる「価値」をどこにどう見いだすかが十分に議論されていない、というのである。

 確かにその通りだけど、でも時すでに遅しの面もたくさん。住民コードがあろうとなかろうと個人データなんてどんどん流通しているし。