拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる (文春新書) / 関岡英之

拒否できない日本 アメリカの日本改造が進んでいる (文春新書)
 この手のタイトルの本は感情優先の放言だったり、あるいは単なる陰謀史観による妄想だったりすることが多いけど、この本は公表されている資料だけを元に、アメリカが日本に何を要求して、その結果日本政府ががどのような妥協を進めてきたかが淡々と、しかも意思を持って力強く書き進めている。
 筆者は元々金融畑の人で、外交などについては素人。その素人ができることを指摘できないマスメディアってどやねん。
 オンラインのデータを元に書いた本といえば「赤い盾」を思い出すけど、情報が見つからないところを想像力で補っている(ように私には思えた)「赤い盾」よりもはるかに充実している。もっとも、当時と今ではオンラインで取得できる情報が桁違いやけど。
 「年次改革要望書」の原語はStructual Impediments Initiativeだそうだ。Strategic Defense Initiativeが「戦略防衛構想」と意図的に訳されていたことを思い出した。