電通が悪いわけではない

 ジーコの発言をきっかけに「日本がまっ昼間に2試合もするなんてことになったのは電通のせいで、負けたのも電通のせい」などというなぐさめがけっこう広がっている。
 昼間に2試合あるのは半年前には決まっていたわけだし、それに対して準備ができていなかったとしたらそれはチームづくりに失敗したということ。雨の多いこの時期に2試合とも晴天にあたってしまったのは偶然で、電通のせいではない。
 オーストラリア戦はどちらも同じ条件だったんだから、負けたのは電通のせいではなくチームの力。クロアチア戦は同じ条件ではないけど、間が6日あったんだからコンディションづくりでなんとかすべき日程。
 そもそも、電通が自社の利益のためだけにこんな日程を強いたというのは現実の無視。電通が利益を上げるためには最終的には多くの視聴者が見るのが想定されることが必要で、つまりは多数の視聴者にとってのメリットと電通の利益は相関関係がある。電通の力でこの日程が組まれたということが本当だとしても、視聴者も共犯者。
 電通のせいというのは選手も監督も傷つかないいい理由づけだけど、しょせんはなぐさめ、いいわけ、現実逃避の範囲を出ない。