ミサイルより怖いもの

 しょせん数発のミサイル。大量破壊兵器を積んでいたとしても日本全国を破壊することはできない。それよりも怖いのは人。
 北朝鮮の体制が崩壊、もしくは弱体化したら、日本海をボートで多くの人が渡ってくる。現体制から逃げだしたい人、新体制下での報復におびえる人、金が欲しい人、いろいろあるだろう。というか、北朝鮮の人はどれかに該当するんじゃないか。
 そういう人に対して日本政府はどういう態度を取るのか。受け入れるのか、追い返すのか、身柄拘束して送り返すのか、攻撃するのか。中には武装している一団もあるだろう。表だって武装してなくても武器を隠し持っているかもしれない。政治難民は受け入れるのが国際社会の常識だとしても、体制崩壊時に政治的理由で亡命してくるというのは金王朝の支配者層で、そういう人を丁重に扱うことに国民が納得するのか。
 その時期をやり過ごしても、朝鮮半島の情勢が落ち着いた(たとえば統一国家形成)ら落ち着いたで、ドイツの東西問題のように南北格差問題が健在化し、北から正規の入国者がどんどん入ってくるだろうし、密入国者もたくさんでてくるだろう。そうなれば当然新しい、しかも今までとはまったく違うコリアンコミュニティができてくるだろう。いくら「民族や文化からニュートラル」というのが日本国の建前でも、現実はそこまでなっていないし、国民の心の準備もできてない。そこで激しい対立が起きるだろう。
 ミサイルは一瞬、人は永遠。大変な時限爆弾。