大分県教委の事件には驚かない

 大分県教育委員会の贈収賄の事件って、なんかありそうな話だと思って報道を見ている。
 30年ほど前、公立高校の入学試験で、スポーツの優秀な選手の試験の点数にゲタを履かせるってのは半ば公然の事実だった。同級生で、大分舞鶴(普通科しかない)でラグビー部をやるとか、大分工業でサッカーをやるということで合格したやつもいた。ラグビーの方は高校で活躍して名門大学に推薦で合格して大学で大活躍、超大企業のラグビー部に入った。サッカーの方は部になじめず退部、そのような経緯だったのでいづらくなって退学、予備校に通って翌年1年後輩として私の通っていた学校に入学してきた。大分舞鶴出身で早稲田大学サントリーで活躍して日本代表にもなった今泉清が中学浪人したという話を聞いて「げた履かせても届かんかったんかいな」と地元では話題だった。
 というような、阿吽の呼吸のアングラな世界が最も公正を要請される高校入試であった(たぶん今は推薦入試とかが導入されて、アングラの世界は不要になっているんじゃなかろうか)わけだから、教員の採用とか昇任であったとしても全然驚かない。
 個人的に(世間と違うところで)、驚いたのは、管理職昇進のための贈収賄があったこと。大分県といえば全国有数の日本教職員組合加入率を誇っていたところ。小選挙区制になっても社会党が4区のうち2区で議席を持っていた。そういうところで、組合を抜けて管理職になることが、金を渡してでも成しとげたいことになっているとは。
 前にも書いたような気がするけど、大分県内でもとくに組織率の高いUSA(小学生時代を過ごした)の先生たちは、世間の日教組組合員の印象とは違っていて、日の丸も君が代も皇室も大好きな人ばっかりだった。組合は選挙というお祭りのための親睦会組織みたいなもんだったという印象がある。
 で話は戻って、今回表沙汰になった教育委員会汚職も、文部省からの画一的な「日教組をつぶせ」指令を地元の事情に合わせて実行しているうちにこんな構造ができあがったんではないかと思う。大分県のような日教組ならそのまま放置しておいてもよかった、あるいはひとつの共生のパターンとして全国に拡げるという手もあったんじゃなかろうか。

 教育委員会日教組のかかわり具合を突っ込んだら面白い週刊誌ネタになるんじゃなかろうか。